1,動物病院の概要
動物病院は名前のように、動物の健康状態や病気を専門的に取り扱う施設のことで、れっきとした医療機関です。
法律的には獣医療法で定められており、国家資格を有する獣医師が中心となって、ペットの診療を手掛けるのが特徴です。
基本的に、いわゆる産業動物の家畜は対象外で、家庭で飼育される小動物を診るのが主な業務となっています。
名称は他にも、犬猫病院やアニマルメディカルセンターなどがあって、規模により数名以上の獣医師や動物看護師で構成されます。
例えば、犬猫病院といっても犬や猫限定ではなく、小鳥や爬虫類などに対応する施設も少なくないです。
犬猫の表記はあくまでも便宜上で、家庭で飼われるペットに対応することを表しています。
日本にある動物病院は約1万で、その半数以上が個人経営とされます。
社団法人や株式会社も含まれますが、割合的には個人経営が圧倒的に多いといえるでしょう。
人を対象とした医療機関の場合は、身体の部位に合わせて眼科や皮膚科などに細かく分けられます。
しかし動物の施設はこの区分けが薄く、1人の獣医師が複数の専門科を兼ね備える形です。
その為、獣医師に求められる知識量は多く、広い範囲の医療知識を持つことが必要となります。
2,ペットも人と同じような診療が求められる時代
近年、ペットに関する飼い主の意識は大きく変わり、家族のように接する人が増えています。
結果的に、動物病院はペットも人と同じような診療が求められ、サービスの拡充で対応している状況です。
具体的には、緊急救命や24時間対応に難病の検査と大きな病院の紹介など、実に多岐にわたります。
先進医療を提供する施設まで登場しているので、人の医療機関との差が小さくなりつつあります。
設備は、体内をチェックするレントゲンや手術室に血液検査装置など、こちらも充実していく一方です。
勿論、施設によって備える設備は異なりますし、何処も最新の機器を導入しているわけではないです。
それでも、比較的大きめな施設であれば、一通りの設備が揃っていて、簡単な手術なら直ぐにでも始められるほどです。
CTや放射線治療装置を持つ医療機関も存在しますから、もはや総合病院並になるのは時間の問題でしょう。
当然ながら、設備が充実する施設は治療費が高く、入院となると更に負担がアップします。
3,治療費が高額になる理由
治療費が高額になる理由の1つには、公的な保険制度が整備されておらず、民間保険会社の商品に加入する必要があることが挙げられます。
1週間程度の手術と入院でも、数十万円の負担が発生するのは珍しくないので、動物病院はそれなりに費用が掛かると覚悟する必要があります。
一方、選び方としては立地や評判に実績など、複数の項目を比較検討して絞り込むのがおすすめです。
立地は通いやすさと言い換えることが可能で、やはり通院の必要性も考慮すると、あまり時間を掛けずに足を運べるのが理想的です。
公共交通機関の近くや、交通の便が良好で駐車場を完備している医療機関が狙い目です。
評判は文字通り、これまでに利用した人がどのように感じたかという、客観的な口コミや評価のことです。
客観的な評価は、商品やサービス選びにも通じる比較検討の重要なヒントで、仮にそういう情報がなければ手探りで探すことになります。
4,動物病院を選ぶ際の注意点とは
受診してみなければ良し悪しが分からない、それは動物病院選びにおいて本末転倒です。
建物の印象や窓口の受付に獣医師の対応など、チェックすべき項目はいくつもあります。
実績は時に曖昧な言葉ですが、医療機関の場合だと、年間の手術件数や対応してきた事例が当てはまります。
特定の病気の手術件数が多ければ、それだけその手術が得意で、優れた治療を受けられる可能性があることを意味します。
結局のところは、少なくとも1度は足を運んでカウンセリングを受けたり、説明してもらうことが不可欠です。
診察や検査で分かったことをどのように説明するか、そして治療の選択肢を提示してもらえるかが焦点です。
前者は一方的ではなく、患者さんを第一に考えているか否かを判断する材料になります。
獣医師のスタンスが分かる判断材料ですから、良く見極めて治療を受けるか決めることが必要です。
逆に後者は、獣医師が薦めたい治療方があるとしても、最終的な判断を患者さんに委ねるか否かを表します。
診療の責任は獣医師が負いますが、治療の選択は患者さんの責任ですから、そういう意味でちゃんと提示する獣医師は信頼できます。
加えて、設備は新しかったり揃っているか、費用が納得できるものかなども、動物病院選びにおける評価ポイントとなります。
時間や予算に余裕がある時は、他の医療機関でセカンドオピニオンを求めてみるのもありです。
セカンドオピニオンは人の診療において浸透していますし、有効性が評価されつつあります。
動物についても、大切なペットの治療を受けるからには、後悔しないように比較して、最終的な候補を選択したいところです。
1つの指標で比較するのは難しくても、複数の項目をそれぞれチェックしてみることで、医療機関の良し悪しが見えてくるでしょう。
水戸市動物病院より引用
最終更新日 2025年7月31日 by urisysym