株式会社アトックスが取り組む主な事業について

株式会社アトックスは、昭和55年に設立された企業で、東京都港区に本社を構えています。
原子力エネルギーの草創期から原子力関連施設のメンテナンスを手掛けてきた企業で、長年にわたって積み重ねてきた技術力によって、現在ではこの分野におけるリーディングカンパニーとなっています。

1 主力は原子力発電関連事業
2 原子燃料サイクル関連事業
3 福島復興事業
4 RI・ライフサイエンス事業
5 まとめ

主力は原子力発電関連事業

また、株式会社アトックスでは幅広い事業に取り組んでいますが、その中でも主力となっているのが「原子力発電関連事業」です。
ただし、一口に原子力発電関連事業と言っても、その内容は多岐にわたります。
例えば、原子力発電所などにおける施設管理や、機器の設置・点検・修理、放射線管理、放射性廃棄物処理などが主な業務です。
放射線管理では、放射線取扱資格者を有した約600名が、各施設で放射線管理業務に従事しています。
放射性廃棄物の処理業務では、各施設で発生した廃棄物を貯蔵施設で管理する前に、廃棄物に応じた処理を行うことで体積を極限まで軽減しています。
また、施設の美観を維持するとともに、快適かつ安全な環境を整える清掃サービス、原子力施設で使用される衣類や防護服などのクリーニングサービスもこの事業のひとつです。
加えて、老朽化によって永久停止した原子力施設を廃止措置にするデコミッショニングにも取り組んでいます。
このように、原子力発電関連業務では、原子力施設に関わる保守管理業務を総合的に提供しているのです。

原子燃料サイクル関連事業

株式会社アトックスでは、「原子力発電関連事業」以外にも、「原子燃料サイクル関連事業」「福島復興事業」「RI・ライフサイエンス事業」「機器物品販売事業」に取り組んでいます。
「原子燃料サイクル関連事業」における主な業務は、ウラン濃縮施設や燃料再処理施設におけるメンテナンス業務です。
具体的には、ウラン濃縮施設では、ウラン濃縮工場設備管理補助・廃水処埋設備点検・廃品回収槽内点検といった業務に取り組んでいます。
燃料再処理施設で行っている主な業務は、マニピュレータ遠隔補修・マニピュレータの移設と保守点検・低レベル廃液の処埋設備点検・出入管理・クレーン点検・バルブ点検などです。
加えて、放射性廃棄物埋設施設や中間貯蔵施設における維持管理業務の代行サービスも実施しています。

福島復興事業

また、株式会社アトックスは2014年に福島復興支社を設立した上で、「福島復興事業」にも積極的に取り組んでいます。
主な内容としては、福島第一原子力発電所内における汚染水処理装置の運転・放射線管理・環境改善業務などです。
具体的には、フランジ型タンクの解体に向けたタンク内の残水移送やクラッド回収（清掃）業務、建屋内の線量低減に向けた線量調査や除染です。
加えて、ドローンを用いて高線量箇所の線量調査や空撮も実施していますし、汚染水対策のための設備の運転・保守管理業務、使用済みの水処理にも携わっています。
その他にも、福島第一原子力発電所で従事する作業員の安全を守ることを目的に構内の放射線・放射能測定を定期的に実施するとともに、福島県内の汚泥処理施設・浄化センター・除染工事などにおける放射線管理業務や、福島地区内の廃棄物処理といった復興事業にも積極的です。

RI・ライフサイエンス事業

「RI・ライフサイエンス事業」では、これまでに培ってきたRI（放射性同位元素）のノウハウを生かし、RI研究施設の支援業務に取り組んでいます。
例えば、SPECT（Single Photon Emission Computed Tomography）という画像診断に使われる検査薬を製造するための中規模サイクロトロン加速器の運転、および保守点検業務です。
また、PET（Positron Emission Tomography）と呼ばれる画像診断に使われる検査薬を製造するための小規模サイクロトロンの運転・保守・点検業務も実施しています。
画像診断に使われる検査薬製造のためのサイクロトロンの運転・保守・点検だけでなく、がんの診断で使用されるブドウ糖に類似した18F-FDGという薬剤や、アルツハイマーの原因物質のひとつとされているアミロイドβを検出するためのPET治験薬の製造にも携わっています。
その他にも、各施設において放射性物質の除去や放射線管理、環境測定といった業務を担うとともに、放射線管理手帳の発行や放射線安全教育サービスも実施しているなど取り組む業務は幅広いです。
さらには、従来のPET装置よりも高感度かつ低コストな頭部PET装置の実用化に関する研究に取り組んだり、鉛212（212Pb）ジェネレーターの開発研究に着手するなど、ライフサイエンス（核医学医療）分野にも注力しています。